2012年08月13日

帰ってきたお題った・35<コルダ>

34と対になる大土です。土岐一人語り。

あさいさんは、「深夜のベッド」で登場人物が「思い出す」、「枕」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai http://shindanmaker.com/28927

34は爽やかでしたが、こちらはちょっとねっとりした感じ。深夜、ベッド、というお題なのでやむを得ません(開き直りw) 大丈夫でいらしたら、どうぞです。


何をしていたわけでもないのに、ベッドに入るのがずいぶん遅くなってしまった。深夜特有の耳がつんとするような静けさの中、に顔を埋めて目を閉じる。身体は泥のように重いのに、眠る前に飲んだ冷たい麦茶のせいだろうか、妙に頭がスッキリしている。
…やばいな、と蓬生はふと思った。
こういう、身体は重いのに頭が冴えている夜というのはあまり良くない。ふとした拍子に彼を思い出すから。

…その、甘く囁く声。慎重にたどる指先。じわりと熱い体温。

「…ああ」
蓬生は声に出して呻いた。
「あかん。…やっぱり」
やはり。思い出してしまった。
固く目をつぶり、手で耳を塞ぎ、頭から彼の全てを追い出そうと試みたが、忘れよう忘れようともがくほど、脊髄反射のように彼の手でもたらされる快感を身体が勝手に思い出す。
ぎゅっときつく唇を噛んだ。

再び彼に会うのは何ヶ月後か。それまで自分は何夜、こうして寝苦しくも切ない夜を過ごすのだろう。闇の中、きつく目を閉じて、一人。
posted by 麻井由紀 at 00:33| Comment(0) | TrackBack(0) | お題ったー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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