2012年07月04日

帰ってきたお題った・23<タイバニ>

タイバニです。空虎。

麻井由紀さんは、「夜のエレベーター」で登場人物が「密会する」、「月」という単語を使ったお話を考えて下さい。 #rendai http://shindanmaker.com/28927

以前に似たテーマ(深夜のエレベーターで月…)をひいて、ピクシブにRー18的なものをあげたのですが、またエレベータと月ネタをひいてしまいました…。こちらは少し穏やかなバージョンです。
それでもまあ、普通にさらすのはまずいなと思うので反転します。


ここから反転


の夜のキースは、何かおかしなスイッチが入るらしい。普段ならとてもしそうにない遊びを虎徹にもちかけてくるのだ。
は、
エレベーターでキスをして、どちらが先に唇を離すか」
勝負だよ、と決めつけて笑う。
キースのフラットはマンションの最上階にある。間の階でエレベーターが止まったとき、どちらが先に<見られることを恐れて>唇を離してしまうかで勝負をしよう、というのだった。
嫌だと言ってもどうせ有無を言わさず挑んでくるのだ。ここ何ヶ月かの満月の夜でそのことを学習した虎徹は、首をすくめ、眉をひそめて不快の念を表しながら、わかった、いいぜ、と了承した。
「ただし条件がある。勝負するのはロビーからフラットまでの昇りのエレベーターだ。…いいな?」
「もちろん、かまわないよ。…昇りでも降りでも変わらないと思うけど」
いや変わる、と虎徹は思った。マンションで、上昇するエレベーターに途中から乗り込んでくる人間は少ない。上に行っても他人の家が並んでいるだけだからだ。一階から乗り合わせなければ、ほぼ二人きりのまま上の階まで行けるだろう。
到着したエレベーターに乗り込んで、二人はすぐに唇を重ねた。バードキスでは勝負にならないからか、舌を絡ませ合う濃密なキスだ。
キースのテクニックは、決して上手とは言えないが、パートナーからの本気のキスに無反応を返せるほど虎徹も枯れた男ではないので、キスはたちまち深く激しくなった。
舌を吸い上げ、上あごを舐めあげ、唾液を呑み込む。
一つだけいつものキスと違うのは、いつもなら途中で何度か唇を離し、角度を変えて交わり直すのだが、今回はそれをしていないことだ。どんな理由であれ、唇を離した方が負けだからだ。
キースの舌と唇で散々なぶられて、虎徹が腰の辺りに甘く重い感覚を覚え始めたとき、ちん、とどこか間抜けな音を立ててエレベーターは最上階に到着した。
ところが、二人はドアが開いても降りられなかった。
負けるのが嫌で、どちらも唇を離さないからだ。…が、エレベーターをキスしたまま降りるのも間抜けな話だ。
結局、エレベーターの扉が再び閉じてしまう寸前に二人は、……正確には虎徹の方から、唇を離した。
「君の負けだ」
冷静にキースが指摘する。
「くっそ」
「はは!」
虎徹の悔しそうな顔が楽しいらしい。キースは実に朗らかに笑った。
「家じゃない場所でキスするのは興奮するね。密会しているみたいで」
「俺はひやひやして興奮するどころじゃない」
「…じゃあ、もう一度。…今度はちゃんと興奮させてあげるから」
「だから、そういうのは家に入ってからって、…ん、む」
キースの濡れた唇が再び虎徹のそれと重なる。舌先は虎徹の中に入り込み、柔らかな生き物のように虎徹の中を蹂躙し、支配し、快楽の頂点に向かって追い立てる。
じわりじわりと、虎徹の中を何かが侵食していく。……それは快楽のようでもあり、あきらめのようでもあり。
観念して虎徹がキースのうなじに腕を回したとき、彼はとろけるような笑みで瞳を輝かせた。
二人の目の前にあるフラットのドアは、…まだしばらく開かれそうにない。


反転終わり。
posted by 麻井由紀 at 00:30| Comment(0) | TrackBack(0) | お題ったー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/278770418
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
※言及リンクのないトラックバックは受信されません。

この記事へのトラックバック
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。