2011年07月16日

ブログイベント終了しました記念、おまけ!

おかげさまで、五万ヒット&ブログ三周年記念のブログイベント、無事終了いたしました!

ご参加くださった皆様、そして、生暖かく(参加を忘れて(苦笑))見守ってくれたお友達に、心からお礼申し上げます。ありがとうございました!!


お礼ついで、というわけでもないのですが、イベントのおまけということで、rin様の二番目のリクエストだった、大土でお題は「三十路」にチャレンジしてみました。

・・・・・・。

玉砕しました。はっはっはっはっはっ!!(…何だこの笑い…)

いやー。難しいですね。三十路になってもあの人達きっと同じことしてますね。そして同じことしてるので、文章で書いてると三十路でも二十代でも思春期でも一緒ですね。困ったもんだ。

という玉砕小話ですが、もしお気が向かれたらおまけということで、どうぞ。


「三十歳の誕生日、おめでとう」
隣でにやにや笑っている大地を、蓬生は嫌そうに睨み付けた。
「いちいち年言わんでいい」
「いいじゃないか、節目なんだから。…三十にして立つ、だよ」
論語の一節を引いて、大地は涼しい顔をしている。
「而立、ね」
蓬生がかすかに眉を寄せた顔を、大地はそっとのぞき込む。
「…何か変わったかい?」
「俺に聞かんといてや。…三十になったからって、自分では何も変わった気ぃせんわ」
「そういうものかな」
「……一年と四ヶ月後に、同じこと聞いたる」
「…覚えてたら、だろ」
「こういうことは忘れへん。自信ある」
「……本当に覚えてそうなんだよな、土岐って」
「……」
「……」
二人ともがふっと黙り込み、テンポのいい会話が途切れた。互いのグラスの中で、氷が溶けて、ゆらりと回る。
やがて蓬生が口を開いた。
「…一日や一年で何かが変わるとは思わんけど、あの夏から十一年、って思たら、いろいろ変わったなとは思うわ」
大地は頬杖をついて蓬生を見る。
「たとえば?」
「たとえば、…あの頃の俺は、十一年後の自分もこないして君と会うてるやなんて、思いもよらんやろな、とか」
「……確かに」
「昔に比べたらがっつかんくなったし。……いろいろと」
「……それは、どうかな」
「……」
大地の言葉にかすかな含みを感じて、顔を見ると、彼は熱っぽい眼差しでじっと蓬生を見ていた。
「触れたいっていう衝動はずっとあるんだよ。…君が気付かないだけで」
握りしめられた右のこぶしに、蓬生はやんわりと手を重ねる。
「気付いてへんわけやないよ。…せやけど、抑えられるようになったやろ?」
「抑えなくていいならその方がいい」
こぶしが開いて蓬生の手を握りしめる。熱くて、かすかに震えている。
「……何や。…年くってもせっかちは変わらんなあ」
「君が特別なんだ」
のしかかられて、フローリングの上に倒れ込む。テーブルの上のグラスは視界から消えたが、氷が溶けて回るからん、という音が、静かな部屋に妙に響いた。

posted by 麻井由紀 at 23:07| Comment(0) | TrackBack(0) | ブログイベント | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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