2011年02月09日

あいたた実験室リターンズ

ちょっとたてこんでいて、今書いてる小説の校正も(ちなみにアシュヴィンと忍人さんの予定。明日には何とか…!)お題ったーをひねるのも間に合いませんでした…。
……ので、以前遊びで書いて、お蔵に入っていたネタを。

配信イベントの六甲山での告白ネタ。土岐の告白フェーズを見たときに、「これ、かなでちゃんじゃなくて大地でもいけるじゃん!(…頭悪いこと考えるなあ、我ながら…)」と思って、実験的に小説を書いてみたのですが(ちなみに11月1日付ブログ。ご参考)、そのときついでにと律の告白フェーズも大地で考えてみてました……。書くだけ書いて、さすがにアップしなかったのですが、もし笑っていただけるならと、載せてみます。

実験に当たって、以前と同じく条件を付けました。

条件1
律のセリフは、「小日向」を「大地」に変更する以外はほぼそのまま使用。ただ、ひなちゃんは幼なじみという設定なので、「昔」起きたはずのことはここ二年ほどで起きたことに変更しています。
条件2
ひなちゃんのセリフも男言葉に変更する以外は基本的にそのまま使用。ただし、選択肢は一番大地向きと思われるものを選択。選択肢が行動の場合は、小説として成立させるためにセリフを創作して追加。
条件3
ゲームに存在しない地の文、大地(本来はひなちゃん)の心情描写は創作。

……さて、うまく大律として成立したでしょうか?……てか、これだと律大になっちゃうのか……?

怖いもの見たさで見てみよう!と仰ってくださる男気ある方は、続きへどうぞ!



騒ぐ一年生達を呆れ顔で眺めていたら、さりげなくつぶやかれた蓬生の嫌味にうっかり反応してしまった。即座に揚げ足を取られて、望んだつもりもない応酬が始まる。嬉々として言葉遊びを投げてくる蓬生に、苦笑しながらも対応していたとき、ふと携帯が震えた。
見ればごく身近な名前からのメールだ。何もメールで知らせなくても、声をかければ届く距離だろうにと見やると、彼もこちらを見ていて、そのくせふいと目をそらした。
開いたメールにはこう書かれている。
『大地、お前と二人で夜景が見たい。よかったら、こっちへ来ないか?』
大地にもちろん否やはないが、率直なお誘いには正直驚いた。
「…どないしたん?」
メールを開いて固まる大地を、蓬生が訝しそうに見ている。…慌てて携帯を閉じて、なんでもないよと首をすくめた。
「…もうそろそろ俺をいじめるのにも飽きただろう?…今度は彼なんかどうだい?」
と天宮を指さすと、大地はふわりと蓬生の前から背を翻した。背中に行方を追うような視線を感じたが、大地が向かう先が律の元だと気付いたのだろう、気配が消える。
蓬生にも律にも、なるべく心急く様を見せないようあえてのんびりと近づくと、律は何故か驚いた顔をした。
「大地…。…来てくれたのか」
その言葉に驚くのは大地の方だ。
「来ないと思ったのかい?」
「いや、そういうわけではないが…」
視線が集団に流れ、またそらされた。…彼が見たのは蓬生か、あるいは他の誰かか。
「お前が向こうで楽しく過ごしているのに、ここへ呼ぶのはどうかと思った。だがそれでも、そのまま遠くで見ている気にはどうしてもなれなかった」
山頂は夏でも風が冷たい。そのせいだろうか、律は少し震えた。
「『他校の生徒と交流することは良いことだ』、『友達が多いのは良いことだ』。…そう自分に言い聞かせても、…俺ではない誰かの前で、お前が微笑んでいるのを見ると −」
胸が痛い。
囁くような低い声で、律は言った。
…あれは、微笑んでいるというよりも、困ってただけなんだけどね、と思いつつ、口にはしない。…代わりに、風から律を守るように、彼の風避けになる位置に大地は移動した。
「なぜなんだろうな」
大地に聞いているというよりは、自問自答しているような声だ。
答えるべきか聞かなかったふりをするべきか少し悩んで、…結局大地は、薄く笑いながらつぶやいた。
「それってやきもちかい?」
「やきもち?」
律は唖然とした顔で大地を見上げたが、そのぽかんとした表情は、ゆっくりとうつむく内に腑に落ちたと理解する顔に変わった。
「……そうか。俺は…妬いていたのか」
大地が浮かべているのと同種の薄い笑いを律も浮かべて。
「理由は…わかる気がする」
ついた息は、たぶんため息。
「俺は……淋しかったようだ」
真面目に語るのが律らしい。というか、普通他の奴はそんなに素直に自分の本心を吐露しない。
「人の輪の中心にいるお前を見て、誇らしい気持ちなのにどこか遠くに感じられて。…お前をメールで呼び出してまで、どうしても伝えたくなったんだ」
まっすぐに見つめられると、やっぱりたじろぐ。…その視線が素直すぎて。…考えていることが手に取るようにわかって。それなのに、律ときたら。
「俺だけを見ていてほしい」
言わなくてもわかる。目だけでわかる。
「…そばにいてほしい」
念を押すように、切なく強く。視線だけでも言葉だけでも足りないと言うかのように。
「どこにも…行かないでほしい…」
大地は気圧されて息を呑んだ。その気配を見たのか、律は少し我に返った顔で首を振った。
「はは、こんなわがままを言うなんて、まるで子供だな。…お前も困るだろう?」
いいや。律。
深く呼吸をして、性根を据えて、余裕を取り戻して。
大地は改めてまっすぐに律と向き合い、静かに落ち着いて口を開いた。
「俺も律を独占したいと思っているよ」
とたん、律がはっと顔に朱をのぼらせた。自分ではあんなに大胆に告白したくせに、同じ告白を大地からされると動揺するらしい。
「……そ、そうか…」
そうだよ、と口にはしないが大地は心の中でつぶやく。
当たり前じゃないか。俺のそぶりを毎日見ていて、それでもわかってもらえないのかい?
「そんな風に返されるとは思わなかった。…まったく、お前には昔から適わない」
律は照れたように眼鏡をさわっている。
「俺のふとした不安を、お前はいつも笑顔で吹き飛ばす。俺の怪我の時も、この夏の大会も、お前はその笑顔で俺を支えてくれた」
思いがけないことを言われて、今度は大地が照れた。口に手を当ててそっぽを向いていると、律は笑って、その頬に片手を添えて自分の方に向き直らせる。
「…大地」
低く静かに呼ぶ声の甘さ。眼前にはきらめく地上の星。
「お前の笑顔は……いいと思う。…俺は好きだ」



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…うーん。
…土岐のよりは、無理がありますね、やっぱり……。
posted by 麻井由紀 at 00:14| Comment(0) | TrackBack(0) | コルダ小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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